「最近、食べる量は変わっていないのに体重が増えやすくなった」「ダイエットをしても思うように体重が落ちない」そんな悩みを抱えていませんか。その背景には、基礎代謝の変化が関係しているかもしれません。

基礎代謝は、私たちが生きているだけで使うエネルギーのことで、1日の総エネルギー消費量の約60~70%を占めています。年齢とともに低くなる基礎代謝を理解し、適切に整えることは、健康的な体重管理や健やかな肌を保つためにも重要です。

この記事では、基礎代謝の基本的な知識から具体的な計算方法、年齢別の基準値、そして基礎代謝を上げるための実践的な方法まで、わかりやすくご紹介します。ご自身の基礎代謝を知ることで、より効果的な健康管理やダイエットに役立てましょう。

監修者情報
監修者写真 ドクターリセラ株式会社
リセラダイレクト事業部
コンテンツ企画・薬機法管理
(元パーソナルビューティーアドバイザー)
湯浅 朋子
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PBA(パーソナル・ビューティー・アドバイザー)としてお客様対応を経験後、販促物の企画、お客様インタビューの取材・編集やイメージ撮影のディレクションを担当。現在は会報誌や肌活ナビの企画・執筆のほか、薬機法管理にも携わる。

基礎代謝とは何かをわかりやすく解説!

体内でのエネルギー燃焼をイメージしたイラスト

基礎代謝とは、私たちが生きていくために最低限必要なエネルギーのことです。心臓を動かす、呼吸をする、体温を保つなど、命を守る活動のために使われるエネルギー量を指します。

横になって静かにしている状態でも、私たちの体は常にエネルギーを使っています。この使われるエネルギーが基礎代謝で、1日の総エネルギー消費量の約60~70%を占めることがわかっています。

基礎代謝の仕組みとは?

基礎代謝は、体の各臓器や組織が活動するために必要なエネルギーです。内訳を見ると、筋肉が約22%、肝臓が約21%、脳が約20%、心臓が約9%、腎臓が約8%、その他の臓器が約20%となっています。

特に注目すべきは、筋肉が基礎代謝の約22%を占めている点です。これは、筋肉量を増やすことが基礎代謝を上げる有効な方法であることを示しています。

安静時代謝量との違い

基礎代謝とよく似た言葉に「安静時代謝量」があります。基礎代謝は、起きてすぐで食事をしていない状態、快適な室温で測るエネルギー量を指します。

一方、安静時代謝量は、より普段に近い状態で測るため、基礎代謝よりも少し高い値になる傾向があります。日常生活では、これらの違いをあまり気にする必要はありませんが、より正確な数字を知りたい場合には、基礎代謝の測り方を理解しておくとよいでしょう。

年齢による基礎代謝の変化

基礎代謝は、年齢とともに変化していきます。一般的に、体が大きくなる時期から20代前半にかけて最も高くなり、その後は少しずつ低くなっていく傾向があります。

これは、年齢を重ねるごとに筋肉量が減り、脂肪の割合が増えることが主な理由です。筋肉は脂肪よりもエネルギーを多く使うため、筋肉が減ることは基礎代謝が低くなることに直接つながります。

実は、このエネルギー消費の低下は「肌の生まれ変わり」にも影響します。基礎代謝を意識して体の巡りを良くすることは、健康な体だけでなく、健やかな肌を保つことにもつながるのです。

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基礎代謝は命を保つために必要な最低限のエネルギーで、1日の消費エネルギーの大部分を占めているんですよ

基礎代謝の計算方法を知る

基礎代謝量を計算する様子をイメージした、電卓を操作する手元の写真

基礎代謝量を知ることで、自分に必要な1日のカロリー摂取量を把握できます。ここでは、いくつかの代表的な計算方法をご紹介します。それぞれの式には特徴があり、自分に合った方法を選ぶことが大切です。

ただし、これらの計算式で出される値はあくまで目安であり、実際の基礎代謝量とは100kcal/日以上異なる場合があることを理解しておきましょう

ハリス・ベネディクト方程式による計算

ハリス・ベネディクト方程式は、最も広く使われている基礎代謝の計算式の一つです。この式は1918年に発表され、その後、日本人向けに作り直された版も使われています。

日本人向けの計算式は以下のとおりです。

  • 女性:665.1 + (9.6 × 体重kg) + (1.7 × 身長cm) – (7.0 × 年齢)
  • 男性:66.5 + (13.8 × 体重kg) + (5.0 × 身長cm) – (6.8 × 年齢)

例えば、35歳の女性で身長155cm、体重50kgの場合、計算式は次のようになります。665.1 + (9.6 × 50) + (1.7 × 155) – (7.0 × 35) = 1,188.6kcal/日となります。

Mifflin-St Jeor式での計算方法

Mifflin-St Jeor式は、1990年に発表された比較的新しい計算式で、ハリス・ベネディクト方程式よりも正確だと言われています。特に筋肉量が多い人などに適しています。

計算式は以下のとおりです。

  • 女性:(10 × 体重kg) + (6.25 × 身長cm) – (5 × 年齢) – 161
  • 男性:(10 × 体重kg) + (6.25 × 身長cm) – (5 × 年齢) + 5

先ほどと同じ35歳、身長155cm、体重50kgの女性の場合、(10 × 50) + (6.25 × 155) – (5 × 35) – 161 = 1,157.75kcal/日となります。

日本人向けの基礎代謝基準値を使う方法

国立健康・栄養研究所が提供している日本人向けの基礎代謝基準値を使う方法もあります。この方法は、年齢と体重のみで計算できるため、最も簡単です。

計算式は、基礎代謝基準値(kcal/kg/日)× 体重(kg)です。基準値は年齢と性別によって決まっており、例えば30~49歳の女性は21.9kcal/kg/日、男性は22.5kcal/kg/日です。

50kgの35歳女性の場合、21.9 × 50 = 1,095kcal/日となります。この方法は簡単ですが、個人の体格の差が反映されにくいという特徴があります。

計算方法 特徴 適している人
ハリス・ベネディクト方程式 最も広く使われている 一般的な体型の人
Mifflin-St Jeor式 より正確とされる 筋肉質な人、体重が重めの人
基礎代謝基準値 最もシンプル 簡単に目安を知りたい人

どの計算方法を選んでも、あくまで参考に活用することが大切です。体組成計などで実際の値を測れる場合は、それを参考にしましょう。

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いくつかの計算式で計算して平均を取ると、より実態に近い基礎代謝量がわかりますよ

年齢別に見る基礎代謝の推奨量

加齢による基礎代謝量の変化を示すイメージ図。20代以降、年齢とともにエネルギー消費が減少していく傾向をグラフで解説。

※イメージです

基礎代謝は年齢とともに変わっていくため、自分の年代の平均的な値を知っておくことは、健康管理やダイエット計画を立てる上で役立ちます。ここでは、国立健康・栄養研究所が示している年齢別・性別別の基礎代謝基準値をご紹介します。

これらの値は、日本人の体格をもとに計算された参照値です。個人差があることを考えながら、自分の基礎代謝量と比べてみましょう。

20代から30代の基礎代謝

20代から30代は、基礎代謝が比較的高い時期ですが、すでに低くなり始める年代でもあります。18~29歳の女性の基礎代謝基準値は22.1kcal/kg/日、男性は23.7kcal/kg/日です。

30~49歳では、女性が21.9kcal/kg/日、男性が22.5kcal/kg/日となり、少し低くなります。この時期は、仕事や家事で忙しく、運動不足になりやすい年代です。意識的に体を動かす習慣をつけましょう。

40代から50代の基礎代謝

40代から50代にかけては、基礎代謝が低くなるのがより目立つようになります。先ほどお伝えした通り、30~49歳の基礎代謝基準値は女性21.9kcal/kg/日、男性22.5kcal/kg/日です。

50~64歳になると、女性は20.7kcal/kg/日、男性は21.8kcal/kg/日へと低くなります。この年代では、筋肉の減少が早まるため、筋肉を保つための運動がより重要になります

60代以降の基礎代謝の変化

60代以降も基礎代謝は低くなり続けます。65~74歳では、女性が20.7kcal/kg/日、男性が21.6kcal/kg/日となります。75歳以上では、女性が20.7kcal/kg/日、男性が21.5kcal/kg/日です。

この年代では、無理のない範囲で筋肉を保つことと、食事の内容を良くすることが健康を守る鍵となります。急なダイエットは避け、バランスの取れた食事を心がけましょう。

年齢 女性(kcal/kg/日) 男性(kcal/kg/日)
18~29歳 22.1 23.7
30~49歳 21.9 22.5
50~64歳 20.7 21.8
65~74歳 20.7 21.6
75歳以上 20.7 21.5

自分の年代の基準値に体重を掛けることで、おおよその基礎代謝量を計算できます。例えば、55歳で体重55kgの女性なら、20.7 × 55 = 1,138.5kcal/日が基礎代謝の推奨量となります。

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年齢とともに基礎代謝は低くなりますが、適切な運動と食事で健やかな状態を保てますよ

基礎代謝と1日の必要カロリーの関係

1日の必要カロリーと基礎代謝の関係を解説するイメージ画像。お皿に乗った「kcal」の文字と食品のミニチュア。

基礎代謝を知ることは、1日に必要なカロリーを把握する第一歩です。しかし、私たちは寝ているだけではなく、日常生活でさまざまな活動をしています。そのため、実際に必要なカロリーは基礎代謝量よりも多くなります。

ここでは、基礎代謝量から1日に必要と推定されるエネルギー量を計算する方法と、健康的な体重管理に役立てる方法をご紹介します。

身体活動レベルとは

1日の推定エネルギー必要量は、基礎代謝量に「身体活動レベル」を掛けることで計算できます。身体活動レベルは、日常生活でどの程度体を動かしているかを示す数字です。

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」では、身体活動レベルを3段階に分けています。レベルI(低い)は1.50、レベルII(ふつう)は1.75、レベルIII(高い)は2.00です。

  • レベルI(低い):座っていることが多い生活
  • レベルII(ふつう):座り仕事が中心だが、通勤や家事、軽い運動をする
  • レベルIII(高い):立ち仕事が多い、またはスポーツなど活発な運動習慣がある

例えば、基礎代謝が1,200kcal/日で、身体活動レベルがふつう(1.75)の場合、1日の推定エネルギー必要量は1,200 × 1.75 = 2,100kcal/日となります。

ダイエット時のカロリー設定

健康的にダイエットをする場合、急にカロリーを減らすのではなく、推定必要量から少しずつ減らすことが大切です。一般的には、1日あたり200~300kcal程度減らすことがおすすめです。

これは、1か月で約1kg程度のペースで体重を減らすことにあたります。急な減量は、筋肉が減ったり基礎代謝が低くなったりする原因となり、リバウンドしやすくなるため避けましょう。

基礎代謝を下回らないことの重要性

ダイエット中でも、食べるカロリーが基礎代謝を下回らないようにすることが重要です。基礎代謝は命を守るために最低限必要なエネルギー量であり、これを下回ると体が「食べ物がない」と判断し、エネルギーを使わないようにしてしまいます。

その結果、筋肉が壊されてエネルギーとして使われ、基礎代謝がさらに低くなるという悪い循環に入ります。健康的に体重を減らすためには、基礎代謝以上のカロリーを食べながら、適度な運動を組み合わせることが大切です。

状態 カロリー設定の目安 ポイント
体重維持 推定エネルギー必要量 活動量に合わせて調整
ダイエット 推定エネルギー必要量-200~300kcal 基礎代謝を下回らない
体重増加 推定エネルギー必要量+200~300kcal 筋肉をつけながら増やす

自分の基礎代謝量と推定必要量を把握することで、無理のない体重管理ができるようになります。体組成計などで定期的に測り、変化を確かめることもおすすめです。

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基礎代謝を下回らないカロリー設定で、健康的に体重をコントロールしていきましょう

基礎代謝を上げる方法

基礎代謝アップをイメージした、上昇する矢印とUPの文字のイラスト。

年齢とともに低くなっていく基礎代謝ですが、日々の生活習慣を見直すことで、低くなるのをゆっくりにしたり、上げたりする効果が期待できます。ここでは、基礎代謝を上げるための具体的な方法をご紹介します。

基礎代謝を上げる最も効果的な方法は、筋肉量を増やすことです。筋肉は基礎代謝の約22%を占めており、筋肉が多いほど、じっとしている時のエネルギー消費も増えるからです。

筋力トレーニングで筋肉量を増やす

筋力トレーニングは、基礎代謝を上げるために最も直接的で効果的な方法です。特に大きな筋肉を鍛えることで、効率よく基礎代謝を上げることができます。

大きな筋肉とは、太もも、お尻、背中、胸などの筋肉です。これらを鍛えるスクワット、腕立て伏せ、背筋運動などが効果的です。週に2~3回、それぞれの運動を10~15回、3セット程度行うことから始めましょう。

筋力トレーニングを行う際は、正しい形(フォーム)で行うことが大切です。無理に重いものを持つよりも、正しい形で確実に筋肉を動かすことを意識しましょう。

有酸素運動を組み合わせる

有酸素運動は、体脂肪を減らし、心肺機能を高める効果が期待できます。また、運動中にカロリーを使うこともできます。

ウォーキング、軽いジョギング、水泳、サイクリングなど、自分が続けやすい運動を選びましょう。1回30分以上、週に3~5回程度行うのが理想的です。

筋力トレーニングと有酸素運動を組み合わせることで、より効果的に体を変えることができます。筋力トレーニングを先に行い、その後に有酸素運動をすると、脂肪を燃やす効果が高まると言われています。

日常生活での活動量を増やす

特別な運動をしなくても、日常生活で動く量を増やすことで、1日の消費カロリーを増やすことができます。

  • エレベーターではなく階段を使う
  • 通勤時に一駅分歩く
  • 家事を積極的に行う
  • 座りっぱなしを避け、こまめに立ち上がる

これらの小さな積み重ねが、1日の総消費カロリーを大きく変えることにつながります。デスクワークが多い方は、1時間に一度は立ち上がって軽く体を伸ばすなど、意識的に体を動かす機会を作りましょう。

食事のタイミングと内容に気を配る

基礎代謝を上げるためには、食事の内容も重要です。特にタンパク質は筋肉の材料となるため、しっかり摂ることが大切です。成人女性の場合、1日あたり50g程度のタンパク質を摂りましょう。

また、食事を抜くと体がエネルギーを使わないようにしてしまい、基礎代謝が低くなる可能性があります。朝、昼、晩の3食をしっかり食べることが基本です。特に朝食は、1日の代謝のスイッチを入れるため、抜かずに食べましょう。

水分補給も忘れずに行いましょう。水分が足りなくなると、体の働きが鈍くなるため、1日1.5~2リットル程度の水分を摂ることがおすすめです。

方法 具体的な取り組み 頻度の目安
筋力トレーニング スクワット、腕立て伏せなど 週2~3回
有酸素運動 ウォーキング、ジョギングなど 週3~5回、各30分以上
日常の活動アップ 階段利用、こまめな移動 毎日
食事管理 タンパク質摂取、3食しっかり 毎日

基礎代謝を上げるには、続けることが何よりも大切です。無理のない範囲で、できることから始めていきましょう。

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筋力トレーニングと日常の活動量アップを組み合わせることで、基礎代謝を助ける効果が期待できます!

基礎代謝に関するよくある質問

基礎代謝に関するよくある質問の画像

基礎代謝について、多くの方から寄せられる疑問にお答えします。

基礎代謝は1日のうちでどのくらいのカロリーを使いますか

基礎代謝は1日の総エネルギー消費量の約60~70%を占めています。例えば、1日に2,000kcal使う人の場合、そのうち1,200~1,400kcalが基礎代謝によるものです。残りは動いたり食事をしたりすることで使われます。

筋肉を1kg増やすと基礎代謝はどのくらい上がりますか

筋肉を1kg増やすと、基礎代謝は約13kcal/日上がるとされています。少なく感じるかもしれませんが、筋肉が増えることで動く時の消費カロリーも増え、全体的な代謝アップにつながります。また、筋肉は年齢とともに基礎代謝が低くなるのをゆっくりにする効果も期待できます。

基礎代謝は季節によって変わりますか

基礎代謝は季節によって少し変わることがあります。冬は体温を保つためにエネルギーが多く使われ、夏よりも基礎代謝が高くなる傾向があります。ただし、今の快適な室内環境では、この違いは以前ほど大きくないと言われています。

体重を減らすと基礎代謝も低くなってしまいますか

体重が減ると、体を保つために必要なエネルギーが減るため、基礎代謝も低くなります。ただし、筋肉を保ちながら脂肪を減らすことで、この低下を小さく抑えることができます。急なダイエットではなく、適度な運動を組み合わせたゆっくりとした減量がおすすめです。

まとめ

基礎代謝は、私たちが生きていくために最低限必要なエネルギー量で、1日の総エネルギー消費量の約60~70%を占めています。年齢とともに低くなっていきますが、筋肉量を増やすことでその変化を穏やかにすることが期待できます。

自分の基礎代謝を知ることは、健康的な体重管理や健やかな肌を保つための第一歩です。ハリス・ベネディクト方程式などの計算方法を使って、まずは自分の基礎代謝量を把握しましょう。

基礎代謝を上げるためには、筋力トレーニングが効果的です。また、有酸素運動や日常生活で動く量を増やすこと、バランスの取れた食事を摂ることも大切です。無理のない範囲で続けられる方法を見つけ、健康的な体づくりを目指していきましょう。