ノーファンデメイクは、ファンデーションを使わないため、他の部分でUV対策を行うことが重要になります。UV対策ができるアイテムが多く登場しているため、自分の肌に合った商品を選びやすくなっています。本記事では、ノーファンデメイクでUV対策が重要な理由やUV対策におすすめのアイテム、UV対策向けのアイテムの選び方などをご紹介します。
1.ノーファンデメイクにUV対策が必要な理由
ノーファンデメイクは、通常のメイクよりもUV対策が重要とされています。その大きな理由は、ファンデーションを使わないためです。ノーファンデメイクはファンデーションを付けない分、紫外線による刺激を受けやすいと言われています。紫外線によるダメージを肌が受け続けると、シミ、シワ、たるみなどの原因になると考えられています。また、肌も乾燥しやすく、下地や他のアイテムなどでUV対策や乾燥対策をしっかりと行うことをおすすめします。
2.そもそも紫外線が肌に与える影響とは

ではそもそも紫外線は肌にどのような影響を与えるのでしょうか。ここでは、紫外線が肌に与える影響について解説します。
2.1UV-AとUV-B
紫外線には「UV-A」と「UV-B」の2種類があり、それぞれダメージの質が異なります。
・UV-A(紫外線A波)
UV-A(紫外線A波)は波長が長いため、肌の内部まで浸透すると言われています。肌のハリや潤いを守るコラーゲンなどの組織にダメージを与えると考えられています。UV-Aは肌のシワだけでなく、たるみやシミなどの原因にもなるとされており、1年中降り注ぐため、ケアが欠かせません。
・UV-B(紫外線B波)
UV-B(紫外線B波)は、日焼けの原因となる波長です。屋外で日焼けをし、肌が黒くなる原因はこのUV-Bと言われています。UV-Aよりも波長が短く、強いエネルギーを持っており、肌の表面にダメージを与えて、シワやシミ、乾燥肌の原因になるとされています。
6〜9月の夏季に最も多くなるため、この時期には特にUV-B対策が必要です。
2.2SPFとPAの違い
UV対策のためのアイテムには、主に「SPF」と「PA」という数値が記載されています。SPFとPAにはそれぞれ以下のような意味があります。
・SPF
SPFは「Sun Protection Factor」の略です。SPFはUV-Bの防御値を示すもので、50+が最高値です。日常生活には「SPF10~30」、長時間の外出やレジャーなどには「SPF30~50+」がおすすめとされています。
・PA
PAは「Protection Grade of UVA」の略です。UV-Aの防御値を表すもので、「PA++++」が最高値になります。日常生活には「PA++~+++」、長時間の外出やレジャーなどには「PA+++~++++」がおすすめです。シワが気になる場合は、UV-Aを防いでくれるPA値を確認するのがおすすめです。
この2つは数値が高いほど、紫外線を防いでくれます。しかし数値が高いほど肌への負担も増えてしまうため、用途ごとに使い分けましょう。
また紫外線を防ぐ成分は「紫外線吸収剤(ケミカル)」と「紫外線反射剤・散乱剤(ノンケミカル)」に分けられます。吸収剤は、紫外線エネルギーを吸収してくれますが、敏感肌の人にとって刺激となる可能性があるので注意が必要です。反射剤は紫外線を反射するため、肌への刺激が少ないとされており、敏感肌の人におすすめです。ただ塗ると肌が白くなりやすいという面があります。白くなるのが苦手で吸収剤のものを使用したい場合は低刺激に加工されているものがおすすめです。
3.UV対策におすすめアイテム

UV対策には、UVカット機能が搭載されたアイテムを使いましょう。ここではUV対策におすすめのアイテムをご紹介します。
3.1日焼け止め
UV対策の定番アイテムといえば日焼け止めです。日焼け止めにはさまざまなタイプがあり、好みや使いたい場所によって選ぶことをおすすめします。
・クリームタイプ
クリームタイプの日焼け止めは保湿力が高く、しっとりとした塗り心地です。化粧下地として使用できるものも多く、高い遮光効果が期待できます。耐水性のものであれば、汗をかいてもムラになりにくいのが特長です。他のタイプと比較すると少し落ちにくいため、クレンジングを使いましょう。
・ミルク(乳液)タイプ
ミルクタイプは、クリームタイプより伸びやすいです。化粧下地として使えるものもあります。顔だけでなく、体にも使いやすいのが特長です。みずみずしい質感で、比較的簡単に落とすことができます。
・ジェルタイプ
伸びが良く、さらっとした使い心地が特長です。日焼け止めのべたつきが気になる方に向いています。保湿力が高いため、乾燥肌の人にもおすすめです。
・スプレータイプ
スプレーでシュッと肌に吹き付けられるタイプです。さっぱりとした使用感で、外出時の塗り直しによく使われます。また髪や背中など日焼け止めを塗りにくい部分や、足など広範囲に塗る時に向いています。しかし塗りムラができやすいので、塗り直し用として使うのがおすすめです。
・パウダータイプ
メイク後に使うパウダータイプです。化粧直しにも使うことができます。ただし、落ちやすいためこまめな塗り直しが必要です。顔やデコルテなどにおすすめです。
1年を通して日焼け止めを使うなら、肌への負担を考えることも大切です。保湿成分や美容成分が含まれているものは、敏感肌や乾燥肌の人に向いています。また紫外線が最も強い夏は、ジェルやクリーム、ミルクなどの塗りやすいタイプがおすすめです。長時間外で活動することが多い場合は、PA値とSPF値が高いものを選びましょう。また、海やプールに行く場合は、ウォータープルーフのものを持っていると安心です。ただし、肌の負担になるため、クレンジングでしっかり落とすことが大切です。
秋冬などの紫外線が弱い時期には、パウダータイプやスプレータイプなどがおすすめです。メイクの仕上げにパウダーを使ったり、外出時にスプレーを吹きかけたりすれば、簡単にUV対策が可能です。
3.2日焼け止め効果のある下地
化粧下地は、ファンデーションを使わないノーファンデメイクには重要なアイテムです。肌の凹凸などを補正したり、肌を外部刺激から守ってくれたりする効果も期待できます。下地には、UVカット効果のあるアイテムも多数販売されているのが魅力です。そのため、日焼け対策としてプラスするのにもぴったりです。さらに日焼け止め効果のある下地なら、日焼け止めを塗る手順を省くことができます。
4ノーファンデメイクに使える日焼け止めの選び方
ノーファンデメイクで使う場合の日焼け止めは以下の点にも注目することをおすすめします。
4.1下地にもデイリーにも使えるか
日焼け止めは化粧下地として使えるものもあります。日焼け止め効果のある下地にすることで、日焼け止めと化粧下地を両方塗る手間を省けます。下地に使う場合は、保湿成分など美容成分が入っているのもおすすめです。また顔と体どちらにも使えるものが欲しい場合は、SPF値やPA値をチェックしましょう。
下地として選ぶ場合は、カラー系もおすすめです。ホワイト、ピンク、ベージュ、ブルー系などがあり、肌の色に合わせて選びます。カラー系を使ったことがないなら、血色良く見せてくれるピンクやベージュ系が使いやすいです。ブルー系は顔の赤みを抑え、ホワイト系はトーンアップなどの効果が期待できます。
日焼け止めは、たっぷりの量を塗ることが重要です。また、日焼け止めは汗や皮脂などで自然と落ちてしまうため、お出かけ前だけでなくこまめに塗り直しましょう。またシワの原因となるUV-Aは、夏以外にも降り注いでいます。そのため、季節や天気を問わず日焼け止めを塗るのがおすすめです。
4.2ノーファンデでも白浮きしないか
日焼け止めを塗ると、白浮きしてしまう場合があります。白浮きとは日焼け止めを塗った部分の肌が白くなる現象です。この白浮きの主な原因は、紫外線反射剤(散乱剤)に含まれている粉が白色で、光に反射すると白っぽく見えるためです。また日焼け止めの塗り方によっても、白浮きしやすいとされています。たとえば、適量より多く塗ったり、塗った後しっかり馴染ませていなかったりした場合、白浮きにつながります。
特にノーファンデメイクは、ファンデーションで上から抑えないため、白浮きがしやすくなります。そのため、白浮きしにくい製品を選ぶのがおすすめです。白浮きしにくいのは、「紫外線吸収剤」が含まれているタイプです。しかし、紫外線吸収剤は敏感肌の方には刺激が強い場合があります。そのため、成分を確かめてから使いましょう。紫外線吸収剤が含まれているものでも、吸収剤自体をポリマー加工し、肌に直接触れないようにしているものもありますので、こうした製品を選ぶのがおすすめです。
5.UV対策をする時の注意点

UV対策を行う際には以下の点に注意しましょう。
5.1UV対策は1年を通して行う
1年の内で最も紫外線が強くなるのは、4〜9月頃とされています。また10〜14時の時間帯が一番紫外線が強く、外出時だけでなく日常生活においても注意が必要です。たとえば、洗濯ものを干したり、近所に買い物に行ったりなど、「少しの時間だから大丈夫だろう」と思っていると、思いのほか日焼けしてしまう可能性があります。
また今すぐには問題がなくても、数年、数十年紫外線を浴び続けることで、シミ、シワ、たるみ等の原因になるケースもあると言われています。そのため、1年中季節に合わせた紫外線対策が必要です。
5.2家の中でもUV対策をしよう
シワの原因となるUV-Aは、通常の窓ガラスを透過すると言われています。そのため、家の中でも注意が必要です。紫外線による肌ダメージを予防するためには、室内だからと油断せず、日焼け止めを塗るか、UVカット効果のある化粧品を使用することをおすすめします。
5.3日焼け止め以外のUV対策も行おう
UV対策は日焼け止め以外も併用するのがおすすめです。たとえば以下の方法があります。
・日傘
肌だけでなく全身を紫外線から守ることのできるUV対策アイテムです。折り畳み傘タイプならいつでもカバンに入れて、必要な時に取り出せます。
・サングラス
紫外線が多く目に当たると、ダメージになると言われています。目に紫外線が入るのを防ぐため、サングラスやUVカット効果のあるメガネの使用がおすすめです。
・帽子
つばの広い帽子なら、肌だけでなく髪や頭皮も守れます。
・唇もケアをしよう
ノーファンデメイクはナチュラルな仕上がりが特長なので、あまりリップを塗らない方もいます。しかし、唇も紫外線を浴びると日焼けをしてしまいます。そのため、UVカット効果のあるリップや口紅を選ぶのがおすすめです。
5.3日焼けをしたらしっかりケアをしよう
日焼け止めを塗っていても、紫外線を長時間浴びた日はしっかりケアしましょう。特に敏感肌の人は、健康な人に比べてバリア機能が低下しているため、紫外線の影響を受けやすく、日焼けのリスクが高い状態です。そのため、しっかりとケアを行いましょう。
・冷やす
日焼け後に赤みが出た場合は冷やすことが大切です。少し赤みが出ただけでもやけどの状態と言われているため、しっかりと冷やします。濡れタオルや冷たいシャワー、保冷剤などを使うのがおすすめです。
・保水する
冷やした後に肌にたっぷりと水分を補給しましょう。化粧水をたっぷりと塗り、場合によってはクリームも足します。日焼けした肌はバリア機能が低下しているとされており、いつもより水分が蒸発しやすいため、多めに潤いを与えます。
ただし、日焼け後の肌に美白化粧水やアルコール成分が配合された保湿剤は刺激になることがあります。配合成分をチェックしてから使いましょう。
6.UV対策をしっかり行おう
ノーファンデメイクは、ファンデーションを使わない分、他のアイテムでUV対策を行うことが大切です。UV対策のアイテムには、日焼け止めや日焼け止め効果のある下地などが挙げられます。日焼け止め効果のある下地なら、日焼け止めを塗る工程を削減できるので、メイク時間の時短にもつながります。ぜひ自分の肌に合ったUV対策アイテムを見つけてみてください。